行政視察報告 柏崎市

 

<実施概要>
■ 実施日:平成29年7月6日(木)
■ 実施場所:新潟県柏崎市 柏崎市役所
■ 報告者:松本裕之
■ 視察項目
 ・災害発生時の要配慮者支援に関することについて

<柏崎市役所>

 

 

背景と必要性

平成16年10月の中越地震、平成19年7月の中越沖地震などの大規模な地震をはじめ、数々の水害や豪雪などの大きな被害が発生する災害が続いています。
行政は、発災直後に機能も完全でない懸念があり、地域の共助機能による支援が求められている現状です。
また、地域によっては「要配慮者」の存在を近隣の住民でさえ分からない状況があります。
しかしながら、これらのことは自主防災組織の積極的な取り組みで解消するものと考えており、平常時から「要配慮者」の支援対策として、情報収集、地域との情報共有方法など、要配慮者対策の取り組み方針を明らかにするために「柏崎市避難行動要支援者登録制度」を制定し、災害時に自主防災組織に紹介することで、要配慮者の支援に取り組んでいます。

 

要配慮者と避難行動要支援者

要配慮者のうち、円滑かつ迅速な避難の確保を図る為に、特に支援を要するものを避難行動要支援者と言います。
避難行動要支援者が支援を受けるために、必要な個人情報を本人の同意を得て「避難行動要支援者名簿」を作成しています。
 
●要配慮者の範囲
 ①高齢者
  ア、介護保険における要介護3~5までに認定されている方
  イ、ひとり暮らし又は高齢者のみの世帯で自力避難が困難な方
 ②障害者
  ア、身体障害者障害程度等級表の1級又は2級に該当する方
  イ、視覚障害の3級又は4級に該当する方
  ウ、聴覚障害、上肢・下肢・体幹不自由、脳原生移動機能障害の3級に該当する方
  エ、知的障害の程度が重度(療育A判定)の方
  オ、精神障害で1級又は2級に該当する方
 ③難病患者

 

避難行動要支援者登録制度の概要

●登録方法については
 ・手上げ方式:自ら名簿の登録を希望した方の情報を収集する方式
 ・同意方式:市関係部局や自主防災組織等が避難行動要支援者本人に働きかけ、必要な情報を収集する方式
  *ほとんどが手上げ方式で、同意方式は非常に少ない状況

●名簿簿作成については
 ・同意者名簿:外部提供することへの本人の同意が得られた方の名簿
 ・未同意者名簿:外部提供の同意が得られなかった名簿
  *対象者約2600人に対して約1890人が名簿同意

●名簿の提供について
 ・同意者名簿は、平常時から自主防災組織などの避難支援等関係者へ情報を行い、市関係部署との情報共有・相互連携を図り、地域ぐるみで避難行動要支援者の的確な避難支援に資するための基礎資料とします。
 ・未同意者名簿は、災害時に避難支援等関係者へ提供します。

●避難行動要支援者登録申請書兼個別計画

 

避難行動要支援者の支援体制

① 市役所から要配慮者の方へ申請書を送付します
② 災害時に地域の方の支援を希望する方は、登録申請書を市へ提出 支援必要ない方は、未登録理由書提出
③ 登録申請のあった要配慮者の名簿を作成し避難支援等関係者へ提供 提供する内容は、避難行動要支援者名簿、個別計画書、支援地図 *災害時には、未同意者名簿も提出
④ 災害発生時、地域支援者と避難支援者等関係者が協力し、避難行動要支援者を支援(安否確認・避難誘導等)します
⑤ 災害発生時、地域支援者と避難支援者等関係者は、安否確認状況を市へ報告します

 

避難支援等関係者及び地域支援者とは

●避難支援等関係者とは、自主防災組織(町内会等)、民生・児童委員などをいい、避難支援等関係者は、避難行動要支援者を支援する際、地域支援者と連携を図り地域にあった手法で支援します。
●地域支援者とは、避難行動要支援者の依頼により、災害時において安否確認、情報伝達及び避難等の際、避難行動要支援者を支援する近隣住民のことを言います。
 例えば、避難行動要支援者の避難状況を地域の自主防災組織に連絡する等のことです。
 但し、この制度で地域支援者に責任を課すものではありません。
 *現在、制度登録者の中で、約70%の方が地域支援者を記載

 

避難支援等関係者、地域支援者及び市の役割

自主防災組織、民生・児童委員、市の役割を、個別計画の作成時、平常時、 災害発生直後、避難所における対応、災害収束時の対応別に、それぞれの 対応を明記しています。

 

避難誘導及び避難生活においての配慮すべき事項

避難誘導における配慮と避難生活における配慮の内容を、下記の個々の 状況に応じて配慮方法を明記しています。
① 目の不自由な方
② 耳の不自由な方
③ 肢体不自由な方
④ 内部障害のある方
⑤ 知的障害の方
⑥ 精神障害の方
⑦ 認知症の方
⑧ 難病・特定病の方
⑨ 寝たきりの方

 

福祉避難所の指定について

・福祉避難室:一般避難所の一般居住スペースの一角に必要に応じてパーティションで仕切りをつけたりして場所を確保する
・福祉避難所:福祉施設は平常時、当該施設利用者に対する支援及び緊急入所者の対応を最優先されることが予想されることから、2箇所の公的施設を指定福祉避難所として対応します。

 

所感

柏崎市の要配慮者に対する支援制度のきめ細かな対応を感じました。
全体的な支援に関する手引書の作成、これにより要配慮者を支援する為の具体的な対策がまとめてあり、それぞれの立場での役割が平常時から発災までの明確にされています。
その中で、避難行動要支援車登録申請書兼個別計画書に関して、必要とする支援・特記事項_特に配慮してほしいこと等・避難所・地域支援者を記載する項目が加古川市にはありません、是非とも地域支援者はすぐには厳しいかもしれませんが、項目に追加必要な内容です。
また、外部提供に同意している要支援者の名簿はありますが、未同意者の名簿は、加古川にはありません、災害時にはたくさんおられることが予想されますので、市側で名簿把握必要ですし、発災時の提供も事前に検討する必要があります。
地域支援者に関しては、必要ではありますが、町内会ともしっかりと調整し、単なる負担増とならないように知恵を絞る必要あり 加古川市の災害時に避難行動要支援登録を申請している方は、非常に少なくさらなる啓発と真に要配慮者を支援する体制づくりの構築が必要であることを大いに感じましたと同時に、担当課と現状を再度把握した上で、今できることの実施要望をしていきたいです。
福祉避難所に関しては、加古川市は福祉施設と協定を結んでいますが、各施設には利用者の方がおられますので、柏崎市さんのように公的な施設を福祉避難所と指定する検討は必要と思われます。
以上、視察報告とさせていただきます。

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