行政視察報告 氷見市

 

<実施概要>
■ 実施日:平成29年7月5日(水)
■ 実施場所:富山県氷見市 氷見市役所
■ 報告者:西村雅文
■ 視察項目
 ・ぶり奨学プログラムについて

<氷見市>
 ・人 口:49,106人(平成29年1月1日現在)
 ・世帯数:17,667世帯
 ・面 積:230.56km2

 ・一般会計:198億4,500万円
 ・特別会計:140億5,598万円
 ・企業会計: 33億4,702万円

 

事業の目的

氷見市で育った子どもたちが更なる成長のために進学し、氷見市に戻ってふるさとの未来のために活躍できるよう支援する。
出世魚で回遊魚の「ひみ寒ぶり」のように、多くの子どもたちがたくさんのことを学び、経験を積み、成長した姿で戻ってくるきっかけをつくり、「回遊する人材を定置網のように受け止めるまち氷見」の実現につなげる。

 

事業の概要

ぶり奨学プログラムとは、次の6つの取り組みを柱としている。
 
1. 通常の教育ローンより優遇される「ぶり奨学ローン」
 ぶり奨学ローンは、氷見市とぶり奨学プログラムについての協定を締結した金融機関が提供する低金利(現時点での利率は1.5%の変動利率)などの特徴があるローンである。
 
2. ぶり奨学ローンなどの返済額を助成する「ぶり奨学助成制度」
 ぶり奨学ローン及び氷見市が指定した国・県・市による奨学金について、返済額の元金及び利子相当額を助成する。
 (月額4.5万円×修業年限相当の金額。大学4年間の場合は216万円相当。)
 ぶり奨学ローンを借り入れた場合には、在学中の利子の返済額を助成する。
 また、卒業後10年以内に氷見市に戻ってきた場合には、元金及び利子の返済額について助成する。
 
3. ふるさと納税などにより寄附を募る「ぶり奨学寄附制度」
 このプログラムに必要な資金の一部について、市民の皆さんや、氷見市出身の方々などから幅広く寄附を募る。
 子どもたちが氷見市に戻ってきて、ふるさとの未来のために活躍してほしいという皆さんの想いを共有して支援する。
 
4. 氷見市出身の学生や卒業生の交流を図る「ぶり奨学交流事業」
 同郷の仲間で氷見について語らい、絆を深めてもらうために、氷見市出身の学生や卒業生の交流会を氷見市や首都圏などで開催する。
 
5. 氷見市における就職・起業を支援する「ぶり就職起業支援事業」
 企業や団体などと協力しながら、氷見市での就職・起業を応援する取り組みを行う。
 
6. 大学などと連携する「ぶり大学等連携事業」
 ぶり奨学プログラムの理念に共感する大学などと協力し、連携事業を行う。

 

導入の動機・理由(背景)について

氷見市では、長年に亘り、転出人口(841人)が転入人口(586人)を大きく上回り、定住人口の減少が深刻な問題となっていた。
特に、大学進学時に転出する人口が多く(185人)、Uターン促進施策に対する必要性が高まって来ていた。

 

ぶり奨学ローンを利用するには

ぶり奨学ローンは、氷見市とぶり奨学プログラムについての協定を締結した次の金融機関が提供する低金利(現時点での利率は1.5%の変動利率)などの特徴がある。
・ぶり奨学ローン提供金融機関
株式会社北陸銀行、株式会社北國銀行、株式会社富山第一銀行、株式会社富山銀行、氷見伏木信用金庫、氷見市農業協同組合、富山県信用漁業協同組合連合会
ぶり奨学ローンの利用には、ぶり奨学プログラムの説明を氷見市から受け、ぶり奨学プログラムに登録することが必要となる。
登録の申請後に発行される登録証持参の上、金融機関に直接申込む。
なお、借り入れにあたっては金融機関での審査がある。

 

ぶり奨学助成制度を利用するには

ぶり奨学助成制度の利用にも、ぶり奨学プログラムの説明を氷見市から受け、ぶり奨学プログラムに登録することが必要となる。
登録した上で、ぶり奨学ローンなどを利用された人について、次の条件に基づいて助成金を交付する。
※借入済の各種奨学金は助成対象とならないが、ぶり奨学プログラム登録後に 借り入れる奨学金は対象となる。
※ぶり奨学ローン・助成制度共に、県の制度との併用は出来ない。
※既に支払いを行っている奨学金受給者については、現時点では対象外である。

 

導入後の利用状況及び、Uターンに対する効果について

平成29年度の申請者数は、185名の進学希望者の内74名である。
社会実験として3年間実施し、検証を行い今後の参考とする。

 

市民への周知方法及び、PRについて

市広報紙で特集を組んだ。
地元ケーブルテレビによってPRを行った。
地域に一校だけある氷見高校の進学担当教諭に、進学指導時に全生徒に伝えてもらった。
市内の各金融機関にPRチラシを設置し、顧客に配布してもらった。

 

所感

3月定例会において一般質問させていただいた折に、白水副市長から御紹介いただいた「ぶり奨学金」についての視察であったが、鹿児島県長島町での事例よりも、氷見市の事例の方が、より充実していて先進的であるという印象を受けた。
その気になれば、加古川市でも十分に可能な事業であると感じた。
3年間の社会実験ではあるが、他に導入中の「郷土愛の育成事業」「氷見市出身者限定のUターン就職支援事業」「氷見市外への通勤費サポート事業」等との相乗効果で、今後、Uターンが促進されることが期待される。
一般質問でも述べた通り、Uターン者雇用助成制度との並行した導入が、より効果的だと思う。
以上、視察報告とさせていただきます。

 

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